価値観というと、一般に「考え方、感じ方」と置き換え、少し違うとか、少しずれているというくらいの表現をしています。そして、その価値観のズレは、話せばいつかは一致する日がくるかもしれない、と信じているフシがあるのです。

しかし、価値観というのは次第にはっきりとするものであって、はっきりしてくれば、お互いの違いが明確になるものなのです。価値観というものは、価値観という言葉を使うからには、こころの価値観なのです。それ以外に価値観はありません。

誰もが目の前の現象やモノを見て、この価値は?と考えはじめます。価値観が目の前のもの、そのモノに集中しています。そして、やがて議論が始まります。そういう価値の見方しかできないのかと、なじる声も飛び出します。

しかし、考えてもみてください。その目の前の現象やモノじたいには価値はまったくないのです。価値ゼロです。価値は、無ではないけれども、つけようがないという意味で価値の目盛りはゼロなのです。